膝の痛み
概要
膝の痛みは、高齢者や肥満体形の方によくみられる症状と言われています。運動でかかる膝への過剰な負担によって、膝が痛くなることもあります。また、痛みのほかに、膝の腫れや膝がグラグラする感覚を伴うことがあります。
痛みの程度が強い場合や長く症状が続いている場合、日常生活に支障が出ている場合は、原因をはっきりさせることが大切です。また、思いもよらない原因が潜んでいることもあるため、注意が必要な症状でもあります。
原因
膝の関節は、太ももの大腿骨、脛の脛骨、膝の皿と呼ばれる膝蓋骨といった3つの骨と、それを支える靭帯や筋肉、半月板や軟骨で構成されています。多くの場合は、この膝の関節軟骨がすり減り、大腿骨と脛骨がぶつかることで膝の痛みが生じます。また、筋肉や靭帯、半月板が損傷することでも痛みが生じます。
膝の痛みの原因を大きく分けると以下のようになります。
関節軟骨の摩耗が原因の場合
膝の関節軟骨と呼ばれるクッションの役割を果たす組織がすり減り、炎症や痛みが生じることがあります。高齢になり関節軟骨が老化したり、肥満により膝への負荷が増えたり、あるいは遺伝的な原因によって膝の関節軟骨がすり減るとされています。
また、骨折や靭帯、半月板の損傷、感染の後遺症で生じることもあります。
治療
症状が軽度の場合は、痛み止めを使ったり、ヒアルロン酸の関節注射、理学療法を行ったりします。このような治療を行っても改善しない場合は、手術を行う場合もあります。
症状が重度の場合は、人工膝関節を入れることもあります。
靭帯・半月板の損傷が原因の場合
交通事故やスポーツによるけがで、膝に大きな力が加わったときに靭帯や半月板が損傷することがあります。
治療
リハビリや炎症を抑える薬を使って、保存的に治療することもありますが、症状が改善しない場合は手術を行います。
骨軟骨片の離断が原因の場合
膝への慢性的な負荷や外傷によって血流障害が起こり、軟骨の下の骨が壊死し、骨軟骨片が関節内に遊離することで痛みが生じます。成長期である10歳代に多くみられる症状です。
治療
成長期では、安静にして負担を減らすことで自然に治癒することがあり、そういった保存療法でも改善しない場合は、離断した骨軟骨片の除去や固定する手術を行う場合もあります。
脛骨結節(お皿の下の骨)の突出が原因の場合
10代前半の成長期の子どもに多くみられ、足への負荷が大きいスポーツをやりすぎることで症状が生じ、オスグッドシュラッター病とよばれています。大腿四頭筋と太ももの前側にある膝を伸ばすための筋肉は、脛の脛骨結節にくっついています。膝の曲げ伸ばしにより、大腿四頭筋が、この脛骨結節を引っ張ることで脛骨結節の成長線に負荷がかかり、炎症や痛みが生じます。
治療
痛みがある場合は、下記のようなことが有効とされています。
●膝への負担を避ける
●ストレッチやアイシングを行う
●物理療法(リハビリ) など
膝蓋骨の脱臼が原因の場合
ジャンプの衝撃などにより、大腿四頭筋が強く収縮したときに膝蓋骨が脱臼することで痛みや腫れが生じます。膝蓋骨が外側に脱臼することが多いとされています。
10代の女性での発症が多く、場合によっては慢性化することがあります。
治療
脱臼を整復し、固定します。
脱臼を繰り返す場合には、手術を行うこともあります。
その他
ほかにも膝の痛みの原因となる病気があり、中には早期の受診・治療が必要な病気が潜んでいることもあります。
代表的なものに関節リウマチがありますが、リウマチの場合は数週間以上腫れや痛みが続きます。20~40歳代の女性に多く、手の指や手首などにも腫れを伴うことが多いのですが、ご高齢の方でも発症します。膝だけが腫れるようなタイプのリウマチもありますので、腫れや痛みが長引く場合は注意が必要です。
その他の原因の場合
膝の痛みの原因は多種多様です。日常生活での対処を行っても改善しないときや痛みがひどいときには、早めに整形外科へ受診するとよいでしょう。
関節リウマチに関しては薬の進歩が著しく、初期にしっかり診断して適切な薬を使えれば治る病気になってきました。特殊な薬を使用することも多いので、専門の医師を受診するようにしましょう。
脚の痛み
脚の痛みとは
足の付け根にある股関節は、立つ・座る・歩くなど日常の動作で頻繁に動く部位であることから、体の中でも特に負担がかかりやすく、痛みが出ることが多くあります。
足の付け根が痛い場合に考えられる病気
足の付け根に強い痛みが生じている、痛みが長く続いている、歩くのが難しい場合には、何らかの病気が原因となっていることがあります。
骨や関節・筋肉などの病気
足の付け根に痛みが現れる病気の多くが骨や関節、筋肉に関連しています。
足の付け根が痛むその他の病気
上で挙げた病気のほかにも、鼠径ヘルニアや鼠径リンパ節炎なども原因として考えられます。
受診の目安とポイント
痛みが強い場合、軽い痛みでも続いている場合、歩行が難しい場合には、股関節や大腿骨の病気が疑われます。
このような症状があれば一度、整形外科への受診を考えましょう。
受診の際には、どのような時に痛むのか(歩く時に痛い・何もしなくても痛いなど)、いつ痛むことが多いか(朝・夜など)、股関節が動かしにくくなっているか、他にどのような症状があるかなど、分かる範囲で詳しく伝えましょう。
日常生活上の原因と対処法
足の付け根に痛みが現れるのは、病気が原因になっているだけでなく、肥満や運動不足、血行不良といった生活習慣が関係していることもよくあります。
肥満
股関節は、体重を支えるために重要な役割を果たしており、歩行時に体重の約3倍、起立時に体重の約6〜7倍かかるといわれています。
体重が重くなると股関節への負荷が大きくなることから、体重が重いほど痛みが現れやすくなります。
正しいダイエットをするには
痩せるためには、食事の制限と運動の実施が基本となり、極端な食事制限や偏った食事などで無理に体重を減らすと健康に害を及ぼす可能性がありますので、ダイエットがうまく行かない人は一度医師に相談してみると良いでしょう。
運動不足
股関節の周囲には、腸骨筋や大腰筋、長内転筋といった筋肉があります。運動不足などによって股関節周囲の筋力が低下すると股関節への負担が大きくなり、関節軟骨がすり減って摩擦が起きやすくなり、その摩擦が炎症を引き起こし痛みとして現れます。
運動不足を解消するには
痛みがあると運動をさらに控えてしまいがちですが、運動不足が原因であれば、運動して股関節周囲の筋力を鍛えることが重要となります。ウォーキングやストレッチ、体操など、軽い運動から始めるのが良いです。
ただし、痛みがある時に運動すると、かえって痛みが強くなってしまう可能性があります。痛みのない時に無理のない程度で行うようにしましょう。
冷え・血行不良
体が冷えると血管が収縮するなどして筋肉に老廃物が溜まり、筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉は血管を圧迫して血行不良になり、血行不良からますます筋肉が硬くなります。
股関節の周囲にはさまざまな筋肉がありますが、血行不良からその筋肉が硬くなって動きが鈍くなり、いつも以上に関節に負担がかかることで、関節に痛みが生じるとされています。
冷えや血行不良を防ぐには
日常生活で体を冷やさないようにする、体を温めるようにすることが大切です。具体的な対策としては、冷房を控える、体が冷えやすい服装を控える、体を温める食べ物を摂取する、軽い運動を取り入れる、入浴するなどです。冷えが原因だと感じる場合には、これらの対策を実施してみましょう。
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