執筆者
医療法人 良花会 整形外科とくはらクリニック
院長徳原 善雄
資格・所属学会
- 日本整形外科学会認定リウマチ医
- 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
- 身体障害者福祉法指定医
- 整形外科専門医
- 医学博士(大阪市立大学:現 大阪公立大学 医学部 卒)
変形性膝関節症は、関節の軟骨がすり減る疾患で、一般的に60歳前後で発症します。高齢者の膝の痛みの多くが、変形性膝関節症です。膝関節内で炎症が生じている状態で、関節液が貯まり、いわゆる水が溜まっている状態になります。
初期は歩き始めるときや立ち上がるときに膝が痛い程度ですが、だんだん歩くことや階段の昇り降りにも支障が出てきます。さらに重症化すると、眠っていても強い疼痛が現れ、睡眠の質にも影響します。最終的には関節の変形や破壊にまでつながるため、早めに治療をおこないましょう。
膝関節の内側と外側にある半月板は、体重がのっている状態で、異常にねじれると骨に挟まってしまい、損傷します。
若年者はスポーツをしているときに受傷することが多く、中高年は立ち上がったり、無理な動作をしたりして、膝をねじったときに受傷することが多いケガです。半月板が損傷や断裂すると、将来、変形性膝関節症になるリスクが高くなるため気をつけましょう。
前十字靭帯(ACL)損傷・断裂は、飛び上がって着地したときや走っているときに急に方向を変えようしたときに起こりやすいケガです。半月板損傷を合併することが多いのが特徴です。
受傷時にプツッという断裂音を伴うこともあり、激痛が走ります。将来の変形性膝関節症のリスクも高くなるため、気をつけなければなりません。
後十字靭帯(PCL)損傷・断裂は、車で追突するような交通事故やスポーツ外傷で膝から転倒したときに受傷しやすいケガです。
内側側副靭帯(MCL)損傷は、膝の靭帯損傷のうちもっとも多く見られます。ラグビーなど接触して衝突し合うスポーツで受傷ケースが多いのが特徴です。
重症な場合、十字靭帯損傷・断裂を合併する例もあります。
内側側副靭帯(MCL)損傷と同じく、スポーツによって受傷することが多いケガです。
離断性骨軟骨炎は、関節軟骨のすぐ下の骨から血が出て骨の一部が壊死してしまう疾患です。初期症状は運動のあとに不快感を感じたり、軽い疼痛がある程度です。しかし、放っておくと疼痛が増悪し、走ったり、階段を昇り降りしたりすることが難しくなります。
さらに進行すると、膝関節に引っ掛かりができて、膝関節の可動域が制限され、激痛がするようになるため、早期の治療が重要です。
膝関節の屈伸によって、脛骨の前外側にある腸脛靭帯が損傷を受けることで発症します。マラソンで生じることが多い、ランナー膝の一種です。
膝蓋骨脱臼は、膝の皿の骨が外側に脱臼した状態です。膝蓋骨が高い位置にある方は、外からの力によって脱臼しやすいと言えます。
オーバーワークなどによって、脛骨粗面の内側にある鵞足と呼ばれる筋肉群が炎症を起こしている状態です。立ち上がると疼痛が出ます。
膝の裏側にできる嚢胞という袋状の構造物に、関節液が貯まっている状態です。大きくなると周りの血管や神経を圧迫するため、治療したほうがよいでしょう。
膝関節内には滑膜ヒダというヒダがある方がいます。その滑膜ヒダが関節に挟まれて、痛みがでる疾患です。
スポーツなどで膝を使い過ぎると、膝蓋腱や大腿四頭筋が損傷します。そのような状態を総称して、ジャンパー膝と言います。
外部からの過度な力や、伸ばし過ぎによって起こるのが、アキレス腱断裂です。スポーツをしているときに急に踏み込んだり、ジャンプなどの動作をしたりすることで起こりやすいケガです。受傷時、バチッという断裂音を伴うことがあります。
足の親指が根本から外側に曲がってしまった状態です。履物や遺伝によって生じます。多くの方が発症するめずらしい状態ではないため、放置する方も多いですが、進行すると歩行に支障をきたすことがあるため、検査や改善を図ることをおすすめします。
膝の外側が圧迫されることによって、突然、足首が動かなくなる状態です。足首を反るように上げる動作がしづらくなります。
足関節が内側にねじれ、足関節外側の靭帯を損傷することで生じるケガです。スポーツや歩行時につまずいたり、段差を踏み外したりすることで起こりやすいです。
スポーツをしている際に生じやすい、筋肉の部分断裂です。ふくらはぎや太ももの内側に起こることが多く、痛みで歩行が難しくなります。
足の裏に土踏まずがない、真っ平らな状態を扁平足と言います。土足の筋肉や腱に負担がかかり、足が疲れやすく転びやすいため、気をつけなければなりません。
血流改善薬・ビタミン剤・非ステロイド抗炎薬・神経障害性疼痛改善薬などを利用し、血流や痛みの改善を図ります。症状によって適切な薬を選び、目的や使用量を丁寧にご説明します。
温熱・電気などの物理療法や、必要な運動によるリハビリテーションで、低下した運動機能の改善と治癒を促します。
必要な方には、関節へのヒアルロン酸の注射、硬膜外ブロック・仙骨裂孔ブロック・神経根ブロックなどのブロック注射を使用し、神経の炎症を緩和します。
症状によっては、手術を必要とするケースもあります。